当院では精神疾患を持つ患者様の治療・リハビリテーションに森林セラピー®を取り入れています。

もともとは当院の統合医療(相補補完代替医療)のひとつとして始めました。参加された患者様からは

  • 「気分が落ち着いた。」
  • 「森林に行った日はよく眠れた。」

などの感想もいただいております。

日本における森林セラピーは研究・報告が進んでおり、エビデンス(根拠)のある療法であるといえるでしょう。昨今の世界的な状況においても、三密を避け、開放感のあるケア・キュアは重要であると考えられます。

当院の森林セラピーは

  • 心身、特に精神面において不調、障害を持つ方にとって良い効果が期待されるアプローチ

となり得るものと考えています。

森林セラピー®とは

森林には、私たちを癒し、健康に導く力があることが実証されています。森林セラピーは、科学的な証拠に裏付けされた森林浴のことです。専門のセラピストがガイドする中で、森林を楽しみながらこころと身体の健康維持・増進、病気の予防を行うことを目指します。森林セラピーは、ハイキングでも、登山でもありません。

健康のために森に入る、新しい森林の楽しみ方です。

当院の2つのアプローチ

袋田病院の森林セラピーでは現在2つの取り組みを行っております。一つ目は作業療法プログラムとして患者様のリハビリテーションに森林セラピーを実施すること。二つ目は病院敷地内に森林をつくり、入院中も森林浴を楽しめることです。

1 森のOT 作業療法プログラム

リハブの森や奥久慈憩いの森などで森林セラピーを行います。森林の中で草木を観察したり、風の音や水の音に耳を澄ましたりします。呼吸法なども実施しており、心身の調子を整えることができます。一般的なリハビリテーションとは異なる、屋内では味わえない心地よいひとときを感じていただけます。

対象、及び参加方法
当院の外来、又は入院の患者様を対象としております。参加には当院の医師の診察、及び作業療法処方箋が必要です。一般の方のご予約は受け付けておりませんので、ご了承ください。

1 リハブの森 病院敷地内の森林整備

病院敷地内にある森林を整備しています。藪と化した森林を2016年から整備し始め、現在も木々の間伐や通路の拡張整備、手作りバードフィーダーの設置などを行っております。森林セラピーの観点から、ただ木々を伐採するのではなく、癒しの場所として活用できるようデザインしています。森林内には木製のステージや手作りのテントなども設置し、造形活動や運動療法(ウォーキングやヨガ)などに活用されています。

益子 卓
作業療法士/
作業療法課 課長
大子町は2016年3月にセラピー基地として認定され、「私も森林セラピーやってみたい!」とトレーナーになりました。ガイドスキルは信州信濃町 癒しの森®の方々からご指導を受け、大子町のセラピートレーナーとしても活動しております。普段は精神科作業療法を専門としておりますので、私の行う森林セラピーから心身の不調や障害も含めて、その効果を感じていただき、リフレッシュしていただければ幸いです。
関連資格
  • ・森林セラピートレーナー 2019年11月22日認定≪大子町≫
  • ・森林セラピスト 2021年8月1日認定≪森林セラピーソサエティ≫