Art festa アートフェスタ
2013年より年に一度の恒例イベントとして行っています。このイベントは創設以来、閉鎖的だった病棟や外来の待合室や診察室を、あえて展示空間として地域に開くことで、病院という「ハコ」を文化的なプラットフォームとして生みながら、患者様や利用者様の社会参画を促していく実験的な試みです。
そこでは、利用者様が日々描き溜め、造りためていた作品展示をはじめ、ワークショップや作品販売を行い、来場者と交流することで、立場を越えてアートについて、そして精神科医療について語り合う場となっています。
そして医療従事者である職員自身も、精神科医療現場における様々な課題や問題意識を、このイベントを通して、地域や社会へ向けて問題提起しています。
これまでの
活動
2013 閉ざされていた精神科病院を地域に開いていくこと
2013年10月12日(土)
「法人全体で取り組むべきイベント」と位置づけ、各部署職員から委員が選出され、実行委員会が立ち上がった。
2014 Dislocation-ズレた日常をここから―
2014年11月1日(土)
患者様による作品展示にとどまらず、看護師や精神保健福祉士、精神科医 といった職員たちの制作展示も、このイベントの大きな目玉となってきた。
2015 ズレた日常をここからー精神科医療の光と影―
2015年11月14日(土)―15日(日)
新たに第二会場として旧棟(現療養棟)を使用。1977年に建てられた病棟には鉄格子のある保護室が残されており(現代は未使用)、展示会場として公開した。
2016 袋田病院美術館
2016年11月19日(土)ー20日(日)
新たに第3会場として、デイケアホロスを使用。会場が増えることにより、患者様の参加の幅が多様に広がった。
2017 いきるためのアート
2017年11月18日(土)―19日(日)
屋外展示の幅が広がった。来場者、患者、職員、アーティストと言った肩書や立場を超えた、表現者同士の新たな横の関係性が生まれた。
2018 精神科病院によるアート的社会実践①
2018年10月20日(土)-21日(日)
会場が5会場に拡大し、常陸大子駅前にある同法人メンタルサポートステーションきらりを、地域と病院をつなぐハブ(中心地、結節点)会場とした。個人作品出展は過去最高数。袋田病院造形教室の原点である安彦講平氏が主宰する他病院造形教室の作品展示など。
2019 精神科病院によるアート的社会実践②
2019年11月17日(日)
台風19号の影響を受け、1か月延期しての開催。開催するか否か議論されたが、「いまこそ袋田病院が”囲炉裏“の様に、集い、語り合い、ホッと出来る場になれたら…」という想いで開催した。また、この年より、オランダにある事業所との連携事業であるアーティスト・イン・レジデンスがスタートした。
2021 アートフェスタ2021 自然とアートの散歩道
病棟から出て身体を動かし、誰かとすれ違い何気なく交わす言葉や挨拶。日光を浴び、風を受け湿度や外気温を肌で感じ、山や草木に見られる四季の移ろいを実感する。私達にとって語句当たり前の営みの一つ一つが、コロナ禍で病棟に閉じこもりがちな患者さんにとっては貴重な営みとなり得るのではないか。